天ぷらの衣はがしは是か非か?

定期的に話題になる天ぷら衣剥がし

今回はそのことについての個人の考えを述べたいと思います。

あくまで個人の考えですので、他人に強要するような主旨はございませんのでご理解ください。

なお、ご意見のある方はコメントいただけると嬉しいです。

 

天ぷら衣はがしに対する自分の主張

 ①TPOをわきまえるべし

 作り手の思いが大事。食べる人の思いも同じくらい大事。

 

 考えてみれば当たり前のことを言っているかとは思いますが、なかなか当たり前のことを当たり前にできなくなってきている昨今。皆さんはどう思われますでしょうか。

以下詳しく説明していきます。


TPOをわきまえるべし

TPO、すなわち

Time (時)
Place (場所)
Occasion (場合)

 

です。場を読むとかその場にふさわしいなどの意味がありますね。

マナーも意味の一つだと思いますが、マナーと言葉にしてしまうとどこか決まりきったルールのような響きがありますので、今回はその場にふさわしいという解釈をしていこうと思います。

 

つまり、

TPOを意識してその時々にふさわしい行動をすればいい

ということです。


例えば、駅の立ち食いそばで天ぷらそばを食べていた人が衣を外していたとしましょう。
ダイエット中なのか、エビの天ぷらの衣を丁寧に外して食べています。
そのまま食べ終わって、丼の中には残ったスープと取り外された衣…。

店員さんはそれを見てまぁ不快には思うかもしれませんが、わざわざ客に対して指摘はしないでしょう。

対して、接待や気を遣う相手と食事に行ったとします。
天ぷら専門店でカウンターがあるような店です。
グループ利用のあなたはテーブル席に通されました。
そこで、出てきた天ぷらの衣をきれいに剥がして食べました。
きっと一緒に食事した相手は面食らうでしょうね。
「あぁ、この人は天ぷら苦手なんだな。なんだか申し訳ないところに連れてきてしまったな。」
と。

確かに、ダイエット中だったり脂っこいものが苦手なのかもしれません。もしくは病気で制限がかかっていたり、アレルギーがあるかもしれません。

しかしそれならば、事前に相手に伝えておくのがスマートではないでしょうか。

食事は本来無理して食べるものではないですし、好きなもの好きな食べ方で食べて良いと思います。

はっきり言えば、天ぷらだろうがとんかつだろうが剥がして食べたければ剥がして食べていいと思います。

ですが、我が先我が先精神では世の中うまく回らないのは想像は難しくないはずです。

だからこそのTPOではないでしょうか。

こんな話を耳にしたことがあります。
高学歴高収入で性格もよく周りの人から好かれているような人がいました。(高学歴高収入が人の価値を決めるという主旨ではありません。)

その上スタイルもよく、どこで買ったんだろうかというようなお洒落な服装をなんの嫌味もなく着こなすような人でした。

食事に呼ばれても楽しそうに過ごし、その場の雰囲気を楽しくさせてくれます。
スタイルが良い割には何でもよく食べ、残すということはあまりないのです。

不思議に思い尋ねてみると、自身で食事コントロールをしっかりしているそうで、食べ過ぎた日の翌日などはしっかりと運動したり、他の食事を減らしたりしていたのです。
しかもそれを誰にアピールするのでなく、自然と身につけて実践されていました。

普段は脂っこいものは控えてるらしいですが、

外食の際に天ぷらが出ても「普段揚げ物食べる機会が少ないから嬉しい。」といって本当に嬉しそうに食べていました。



少し話は変わりますが、

今の日本の風潮では「ゼロか100か」「善か悪か」をすぐ判断しがちな気がします。
なにか事件やニュースがあった場合、悪と見なされれば徹底的に糾弾され、害がないものと判断されれば煽てて囃し立てる。背景などを理解しようともせず。

天ぷらの衣剥がし=悪い事
「作り手に対する侮辱だ!」
「そんなら天ぷら食べなけりゃいい!」

天ぷらの衣剥がし=善い事
「金払ってるんだから好きに食べていい。」
「体に悪そうだから、剥がして当然。」

というように、

物事をどちらかに決めつけて考えるのはその人の価値観をとても狭くしてしまう

ような気がします。

だからこその、
時間=time
場所=place
場合=occasion

ではないでしょうか。
その場に合わせてその都度考えてみればいいのです。

 


作り手の思いが大事。食べる人の思いも同じくらい大事。

私は飲食業の経験があるのですが、料理を作るときはなるべく美味しく食べてもらいたいと考えながら試行錯誤します


天ぷらを揚げる時も、油の温度や食材の管理、果てはお店の雰囲気などとても気を遣います。
いろんな外食産業の形態がありますが、作りてのベースの思いは皆近いと思います。
食中毒を出してやろうと思って作ってる人は少ないと思います。もしいたとすれば軽くテロ行為てすよね。

そういった思いで作られた料理を作り手の意に反する食べ方をされたら、まず大体の作り手は動揺すると思います。

その動揺が、怒りになるのか、呆れになるのか、申し訳ない気持ちになるのかは人それぞれでしょう。

寿司のシャリ残しも、作り手はシャリとネタのバランスを考えシャリの味を考え、提供するタイミングなども考えて出していると思います。
(もちろんいろんな作り手がいますから、全員が同じ熱量で考えているわけではないです。)

そういった思いがある上でシャリを残されたら、作り手がマイナスな気持ちになるの理解できるのではないでしょうか。

お金払ってるからとか、客だからとかの前

人としての思いやりを持って考えれば難しくな

はずです。


一方でこんな経験をしたことがあります。

蕎麦屋で食事をしている際に、隣に座った老夫婦が天ぷらそばを頼んでいました。
しばらくして、運ばれてきた天ぷらをご夫婦はペーパーナプキンを使って衣を剥がしネタだけにして食べていました。


最初はぎょっとしてみていましたが、次の瞬間その気持ちはなくなりました。

なんとも嬉しそうに食べていたからです。


申し訳ない気持ちがあったのか、剥がした衣はペーパーナプキンにくるんで皿の端に置いていました

どういう理由があったかは知りませんが、とにかく嬉しそうに衣を剥がした天ぷらを食べていました。

あなたがもし飲食業で働いていたとして、そのようなご夫婦を見て「侮辱だ!金はいらないから帰ってくれ!」と言えますか?

美味しそうに食べてくれているならいいではないかと思うのが人としてではないでしょうか。

 

 

ニュースやテレビでは映らない、自分のリアルな現実でおいてはどっちに正解があるかわからないことが多いと思います。でもそれでいいんです。

時として失敗して恥をかくこともあるでしょう。でもそれでいいんです。

相手に対して思いやりを持って考え、その時その状況に合わせて考えていけばあなたに対して思いやりを持って接してくれる人もおのずと現れるでしょう。

 

天ぷらの衣はがしから多少の脱線はしましたが、ご理解共感してくれた方がいたらうれしい限りです。

 

以上、天ぷらの衣はがしは是か非かでした。